「フリーランスになれば、会社に縛られず自由に働ける!」
そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
確かに、フリーランスには定年がなく、仕事や取引先を自分で選びやすいという魅力があります。
でも、会社員を辞めてから初めて気づくデメリットもあります。
毎月の給料がなくなり、社会保険の手続きも自分で行い、仕事以外の事務作業まで増える。
会社員の頃は当たり前だった待遇が、実はかなり恵まれていたと感じることもあるでしょう。
今回は、フリーランスになって後悔しがちなこと5選を紹介します。
これから独立を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
① 収入が不安定!仕事がなくなれば収入ゼロも
フリーランスになって最初に直面しやすいのが、収入の不安定さです。
会社員であれば、通常は毎月決まった日に給料が振り込まれます。
しかし、フリーランスには決まった給料がありません。
例えば、月額60万円の案件を受注していたとしても、その契約が終了して次の仕事が見つからなければ、売上はゼロになる可能性があります。
しかも、仕事が見つかっても、契約開始までに時間がかかることがあります。
その間も家賃や食費、社会保険料などの支払いは続きます。
収入が多くても安心できない
仮に月額80万円の案件で働いていても、年間を通して仕事があるとは限りません。
| 稼働状況 | 年間売上 |
|---|---|
| 月80万円で12か月稼働 | 960万円 |
| 月80万円で9か月稼働 | 720万円 |
| 月80万円で6か月稼働 | 480万円 |
※経費や税金を差し引く前の売上です。
月額単価だけを見ると高収入でも、仕事がない期間が長くなると年間売上は大きく減ってしまいます。
フリーランスは月収よりも、年間でいくら稼げるかが重要です。
対策:生活費を確保しておく
独立する前に、少なくとも半年程度の生活費を確保しておくと安心です。
また、一つの取引先だけに依存せず、複数の仕事獲得ルートを持つことも大切です。
② 社会保険の負担が大きい!会社が払っていた分に気づく
会社員からフリーランスになると、社会保険の仕組みが大きく変わります。
会社員の場合、健康保険と厚生年金の保険料は、原則として会社と従業員が分担しています。
つまり、給与明細に記載されている本人負担分とは別に、会社も保険料を支払っているわけです。
ところが、個人事業主として独立すると、一般的には国民健康保険と国民年金に加入することになります。
国民健康保険には、会社員の健康保険のような事業主との折半負担がありません。
国民年金も自分で納付します。
退職直後は特に注意
国民健康保険料は、原則として前年の所得などをもとに計算されます。
そのため、退職して収入が減っても、すぐに保険料が安くなるとは限りません。
また、健康保険については、国民健康保険だけでなく、会社の健康保険の任意継続や家族の扶養に入る選択肢もあります。
加入条件や保険料を比較して選ぶことが大切です。
さらに、住民税も前年の所得をもとに課税されるため、退職後にまとまった支払いが発生することがあります。
会社を辞めても、税金や社会保険の支払いは続くということを忘れてはいけません。
対策:退職前に保険料を試算する
独立前に、住んでいる自治体の国民健康保険料や国民年金保険料を確認しておきましょう。
健康保険の任意継続なども含めて比較すると、想定外の出費を減らせます。
③ 有給休暇がない!休むと収入が減ることも
会社員には、一定の条件を満たすと法律で認められる年次有給休暇があります。
有給休暇を取得しても、原則として給与が支払われます。
一方、フリーランスには、会社員のような法定の有給休暇が原則ありません。
もちろん、フリーランスでも休むことはできます。
ただし、契約内容によっては、休んだ分だけ報酬が減ることがあります。
例えば、稼働時間に応じて報酬が決まる契約なら、休暇や病気で稼働時間が減ると収入に影響します。
一方、成果物に対して報酬が支払われる契約なら、納期を守る範囲で休みを調整できることもあります。
つまり、自由に休めることと、休んでも収入が減らないことは別なのです。
病気やけがで働けなくなったら?
ここも重要なポイントです。
会社員の健康保険には、条件を満たせば、病気やけがで働けない期間に傷病手当金が支給される制度があります。
一方、一般的な国民健康保険には、会社員の健康保険と同様の傷病手当金が通常ありません。
長期間働けなくなると、収入が大きく減る可能性があります。
対策:休業時の生活費を準備する
病気やけがで働けなくなった場合に備えて、生活防衛資金を確保しておくことが大切です。
必要に応じて、所得補償保険なども検討するとよいでしょう。
④ 営業・契約・請求書・確定申告!仕事以外の作業が多い
会社員の頃は、仕事に必要なさまざまな業務を会社が担当してくれます。
営業担当者が仕事を獲得し、経理担当者が請求や支払いを管理し、人事担当者が給与や社会保険の手続きを行います。
しかし、フリーランスになると、こうした作業も基本的には自分で対応する必要があります。
例えば、次のような業務です。
- 新しい案件を探す
- 取引先と報酬や契約条件を交渉する
- 契約書を確認する
- 請求書を発行する
- 入金を確認する
- 領収書や経費を管理する
- 確定申告を行う
本来の仕事が忙しいときでも、こうした作業はなくなりません。
特に確定申告の時期になると、領収書の整理や帳簿の確認に追われることもあります。
対策:便利なサービスを活用する
会計ソフトや請求書作成サービスを使えば、事務作業を効率化できます。
また、フリーランス向けのエージェントを利用すれば、案件探しや契約交渉の一部をサポートしてもらえる場合もあります。
税理士などの専門家に依頼する方法もありますが、その分の費用は必要です。
フリーランスは、専門職であると同時に、自分の事業を運営する経営者でもあるということですね。
⑤ 老後の備えが必要!厚生年金や退職金の違い
40代や50代からフリーランスになる場合、特に気になるのが老後のお金です。
会社員は、一般的に国民年金と厚生年金の両方に加入しています。
一方、個人事業主のフリーランスは、原則として国民年金の第1号被保険者となります。
そのため、独立後は会社員時代のように厚生年金の加入期間を積み重ねられなくなるのが一般的です。
ただし、それまでに加入した厚生年金の記録がなくなるわけではありません。
将来の年金額は、過去の加入期間や報酬などによって変わります。
退職金も自分で準備する
会社員の場合、勤務先に退職金制度があれば、退職時にまとまったお金を受け取れることがあります。
一方、フリーランスには、会社が用意する退職金制度が原則ありません。
そのため、老後資金を自分で積み立てていく必要があります。
フリーランスが検討したい老後資金の制度
代表的な制度には、次のようなものがあります。
| 制度 | 特徴 |
|---|---|
| 小規模企業共済 | 個人事業主などが退職・廃業時に備える共済制度 |
| iDeCo | 掛金を拠出し、自分で運用する私的年金制度 |
| 国民年金基金 | 国民年金に上乗せする年金制度 |
| 新NISA | 投資による長期的な資産形成に活用できる非課税制度 |
それぞれ加入条件や税制上の扱い、資金を引き出せる時期などが異なります。
特にiDeCoは原則として60歳まで引き出せないため、生活費とは分けて考える必要があります。
定年がないことはメリットですが、何歳まで働けるかは分かりません。
働けなくなったときの備えも、独立前から考えておきたいですね。
フリーランスは本当に後悔する働き方なのか?
ここまで5つのデメリットを紹介しました。
こうして見ると、フリーランスは大変なことばかりに感じるかもしれません。
でも、もちろんメリットもあります。
定年がなく、自分で仕事を選べること。
苦手な人間関係から距離を置きやすいこと。
仕事量を調整したり、新しい分野に挑戦したりできること。
会社員にはない魅力もあります。
大切なのは、フリーランスになれば自由になれると考えるのではなく、自由になる代わりに、何を自分で負担する必要があるのかを理解することです。
まとめ|会社員を辞める前に知っておきたい5つのこと
今回紹介した、フリーランスになって後悔しがちなことは次の5つです。
- 収入が不安定で、仕事がなければ収入ゼロになる
- 社会保険の会社負担がなくなる
- 有給休暇がなく、休業時の保障も違う
- 営業や契約、請求書、確定申告などの作業が増える
- 厚生年金や退職金の違いを踏まえ、老後資金を準備する必要がある
会社員には安定した給与や福利厚生があります。
一方、フリーランスには、自分で仕事や働き方を選びやすいという魅力があります。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、一概にどちらが良いとは言えません。
ただ、独立してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、会社員のうちに準備できることはたくさんあります。
会社員の安定と、フリーランスの自由。
それぞれの良さを知ったうえで、自分に合った働き方を選びたいですね。
それでも、フリーランスになりたいと思いますか?
